JR東日本は6日、突風に対する列車運転規制の実施について、AIを用いた手法を導入すると発表した。
同社では、風を観測できるドップラーレーダーを用い、突風の原因となる上空の渦を探知・追跡することで渦の進路を予測し、突風に対する列車運転規制を実施している。同社は今回、渦の探知にAIを活用した突風探知手法を導入。レーダーの情報から渦をリアルタイムで探知することで、列車運転規制に活かす。AIの導入により、渦の捕捉性能が向上し、誤探知も軽減するとしている。
AIを活用した列車運転規制は、11月1日に運用を開始。日本海沿岸の余目付近に設置したドップラーレーダーで渦を観測し、レーダーの半径60キロ圏内、羽越本線今川~羽後本荘間、陸羽西線余目~清川間での列車運転規制に活用する。
羽越本線では、2005年12月25日に、特急「いなほ」が突風によって脱線する事故が発生。以来JR東日本では、同区間へのドップラーレーダーによる列車運転規制の導入など、さまざまな対策を進めてきた。同社は、今後も事故の再発防止に全力を注ぐとともに、列車運行のさらなる安全性向上に努めていくとしている。