JR北海道は14日、2021年に実施予定のダイヤ改正において、利用状況にあわせて列車の本数や両数の削減を実施すると発表した。
同社は、新型コロナウイルスの影響で、国内旅行者やビジネス利用者、海外からの旅行者が減少しており、利用回復には相当な時間がかかると予想。さらにWeb会議の普及などでライフスタイルが変化していることも鑑み、利用状況にあわせたダイヤの見直しに踏み切るとした。
特急列車では、札幌~函館間の特急「北斗」は、定期列車12往復のうち、夜間帯1往復の運転取り止めを検討。さらに上下1往復を臨時列車とし、年間30日程度運休する。札幌~旭川間の特急「カムイ」「ライラック」は、定期列車24往復から定期列車22本と臨時列車2往復に変更。旭川~稚内間の特急「サロベツ」2往復は、1往復を臨時列車化し、年間30日程度運休する。旭川~網走間の特急「大雪」は、全列車を臨時列車とし、年間50日程度運休する。このほか、特急「北斗」は7両から、特急「おおぞら」は6両から、それぞれ5両に減車。利用状況に応じて増結する。
普通列車では、札幌圏では10本程度の列車の見直しを検討。加えて、10本程度の列車で土休日の運休を検討する。函館線滝川~旭川間、留萌線、石北線、宗谷線旭川~名寄間、根室線滝川~新得~帯広間の各線では、利用者の少ない列車の見直しを検討する。
このほか、極端に利用の少ない駅の見直しも検討。36駅について、廃止または自治体による維持管理への移行を沿線自治体と協議しているとし、うち18駅程度を廃止する方向で検討している。
ダイヤ改正は、2021年春を予定。JR北海道では、これらの施策の実施により、年間約5.5億円の経費を削減できるとしている。また、夜間帯の特急「北斗」の運転取り止めにより、夜間の保守作業に充てる時間の拡大が可能となり、作業の効率化も期待できるという。