小田急電鉄は4日、2021年春に実施するダイヤ改正において、最終列車の運転時刻繰り上げと、始発列車の運転時刻繰り下げを実施すると発表した。
下り最終列車の繰り上げ幅は、小田原線の新宿~向ヶ丘遊園間と江ノ島線方面がおおむね10分程度、小田原線の向ヶ丘遊園~小田原間と多摩線方面がおおむね20分程度。上り最終列車も、最大で約20分程度繰り上げる。始発列車については、上り列車を中心に、最大で15分程度繰り下げる。
同社は、最終・始発列車の運転時刻変更について、メンテナンス時間の確保を理由に挙げている。運転時刻の変更により、作業可能時間を約30分増加することで、線路メンテナンスでは割合にして約20%、電気メンテナンスでは同じく約35%の作業時間が増加する。これにより、作業効率の改善やメンテナンス要員の労働負荷改善を図るとしている。
また同社は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、利用者の生活様式が変化したことも理由としている。2020年9月の小田急線終日利用者数は、前年同月比で24.2%減少。特に最終列車付近の時間帯では、前年同月比で約46.5%減と、半数近くに落ち込んでいる。同社は「お客さまの働き方や行動様式が従来の姿に戻ることはないと予測」しており、今回の時刻変更に踏み切る。なお、年末などの繁忙期においては、臨時列車の増発などを検討するとしている。
メンテナンス時間の確保や、新型コロナウイルスによる行動様式の変化に対応した最終・始発列車の運転時刻変更は、小田急電鉄のほか、JR東日本やJR西日本も同様の施策を発表。2021年春のダイヤ改正にて実施するとしている。
最終列車と始発列車の時刻変更は、2021年春のダイヤ改正で実施する予定。ダイヤ改正日や具体的な時刻については、2020年12月中に発表するとしている。