しなの鉄道とミュージックセキュリティーズは6日、しなの鉄道の新型車両導入に要する資金の一部を、ファンドを活用し募集することで合意したと発表した。
しなの鉄道が導入を進める新型車両のSR1系は、従来車両よりも消費電力を削減しているほか、沿線地域の様々な地域活性化の取り組みにも連動させることで地域経済の活性化にも寄与する「SDGs」に貢献するものだとしている。両社は今回、個人および機関投資家などの法人から、車両導入資金を募集。個人投資家には体験プランや鉄道ファン向けプランを設定し、法人に対しては投資によりSDGsへの貢献につながると訴えることで、資金を募るとしている。
募集金額は5000万円で、内訳は、個人投資家から3000万円、法人から2000万円。個人投資家は1口5万円から、法人は1口100万円から投資できる。募集期間は、1月14日から6月30日まで。個人投資家の投資分については、決済金額の半額を投資、残る半額を体験や沿線の特産品などの特典購入に充当。特典分については、観光列車の食事つき乗車券や、旧型車両の部品取り体験などのプランを、投資後に選択できる。
ミュージックセキュリティーズによると、第三セクター鉄道事業者の新型車両導入にファンドを活用する例は、日本初だという。また、第三セクター鉄道会社であるしなの鉄道にとっては、自治体にかかる損失補償のリスク軽減につながる新たなリスクマネーの調達で、県民や市民の負担軽減にもつながるとしている。