JR東日本とNTTドコモは28日、時速360キロで走行する新幹線試験電車「ALFA-X」にて、第5世代移動通信方式(5G)の無線通信実験に成功したと発表した。
試験では、線路沿いに5G基地局2か所を、車内に移動局を設置し、通信エリア約5キロの5G実験エリアを構築。実験装置には、電波の放射エリアを特定方向へ集中させる「ビームフォーミング機能」や、電波の放射方向を制御する「ビーム追従機能」、ドップラー効果による周波数の遷移を補償する機能を搭載したほか、5G無線通信を維持したまま接続先の基地局を瞬時に切り替える「ハンドオーバー機能」を適用し、切り替えタイミングの最適化を図った。これにより、移動局の受信時最大500Mbps、送信時最大100Mbpsの通信速度を達成したほか、100Mbps以上の通信速度を保ったままでのハンドオーバーに成功。4K・8Kの映像伝送にも成功し、約30分間の4K映像コンテンツを約1分の通信時間でダウンロードできたという。
両社は今回の実証実験により、新幹線のような高速鉄道においても、安定した5Gの高速通信が実現できることを確認したとし、高速鉄道における4Kや8Kなどの高精細映像の伝送など、これまで実現することが難しかった新たなサービス提供の可能性が広がるとしている。