JR東日本とフォーアールエナジーは9日、踏切の電源用バッテリーに、電気自動車の再生バッテリーを活用すると発表した。
JR東日本では、踏切のメンテナンス時などの一時的な停電時でも動作を継続できるよう、踏切を制御する踏切保安装置の全てにバッテリーを設置している。同社は今回、このバッテリーに電気自動車の再生品を採用することで、環境にやさしい電源装置の実現を目指す。
再生バッテリーは、日産自動車の電気自動車「リーフ」搭載品を再製品化したもの。再生バッテリーの利用により、バッテリー製造時に発生する温暖化ガスの低減や、コバルト、ニッケルといった、バッテリー資源の効率的な使用を促進する。また、従来の踏切用バッテリーは鉛蓄電池だったが、再生品バッテリーはリチウムイオン電池となる。そのため、充電時間の短縮や、遠隔での劣化状況把握が可能。耐用年数も延長でき、最大4割程度のコストダウンも実現するという。
再生バッテリーは、常磐線および水戸線の10か所程度の踏切に対し、4月以降に試行導入する予定。JR東日本では、実設備での効果を見極めた後、さらなる導入拡大を目指すほか、踏切保安装置での検討を踏まえ、無線通信装置や駅設備など、踏切以外の電源装置への活用を検討していくとしている。