JR北海道は10日、「SL冬の湿原号」をリニューアルすると発表した。
SL冬の湿原号は、冬季に釧網線釧路~標茶間で運転する臨時列車。C11形171号機と、14系客車4両、旧型客車のカフェカー1両からなる編成で運行している。同列車の運行開始から約20年が経過し、運行開始前に改造した客車の老朽化などが進んでいることから、同社は今回、客車内装などのリニューアルを決定した。
14系客車については、利用者の要望を反映した車両のさらなる魅力アップを目指し、2021年度から2022年度にかけてリニューアルを実施。あわせて、老朽化した発電用エンジンや台車部品などを取り替える。カフェカーについては、旧型客車のレトロな雰囲気を損なわないよう、内装をリフレッシュする。また、列車をけん引するC11形171号機は、2021年中に同社苗穂工場にて全般検査を実施。ボイラーは大阪の専門業者にて修繕・検査する。
工事費は、客車の内装リニューアルが約2億円、C11形の検査、老朽エンジン取り替えがそれぞれ約1億円。JR北海道では、新型コロナウイルスの影響によりSL冬の湿原号の乗客が減少しているとしながらも、道内唯一のSL観光列車を守るため、SLの全般検査、客車リニューアルを実施し、引き続きSLを運行するとしている。