JR東日本は21日、高輪ゲートウェイ駅付近で出土した「高輪築堤」について、一部を保存すると発表した。
高輪築堤は、1872年に日本初の鉄道である新橋~横浜間が開業した際、当時は海上だった高輪沖に線路を通すために構築された構造物。2019年4月、品川駅改良工事において石積みの一部が発見され、2020年7月には、山手線・京浜東北線線路移設後の撤去作業時に、築堤の一部とみられる構造物が出土した。
築堤が出土したエリアは、JR東日本などが進める再開発事業「品川開発プロジェクト(第I期)」の対象地域となっている。同社は今回、高輪築堤調査・保存等検討委員会による調査・保存方針を受け、一部の建築計画を変更し、築堤を保存することを決定した。
現地保存となるのは、3街区で出土した「橋梁部」、2街区で出土した「公園隣接部」の2箇所。前者は建設当時の風景を再現し、後者は文化創造施設と一体的に公開するとしている。
また、4街区で出土した、信号機土台部を含む約30メートルについては、移築して保存。国道15号沿いの広場を候補としている。
品川開発プロジェクト(第I期)は、2024年度のまちびらきを目標としている。なお、今回保存の対象とならなかった部分については、道路下等で埋設保存できる部分を除き、記録保存調査の対象とする。