JR西日本は19日、各線の利用減少に伴い、列車本数の削減を行うダイヤ改正を2021年10月に実施すると発表した。
10月のダイヤ改正で列車本数を削減するのは、近畿エリアでは、琵琶湖線の米原~長浜間、JR京都線の高槻~京都間、JR神戸線の須磨~西明石間、山陽線の姫路~上郡間、赤穂線の相生~播州赤穂間、大和路線の奈良~加茂間など。近畿エリア以外の路線では、小浜線、越美北線、山陽線、山陰線、きのくに線、和歌山線、瀬戸大橋線、伯備線、因美線、境線などを対象に実施する。運転取りやめの対象列車数は、近畿エリアでは、昼間時間帯を中心に約60本、近畿エリア以外では、朝・夜間の時間帯を含めて約70本を予定する。
JR西日本では、新型コロナウイルスの影響による利用者の減少をふまえ、列車本数と利用状況がかい離する一部路線を対象に、2022年春を待たずに、10月にダイヤ改正を実施することにした。
10月のダイヤ改正の詳細は、7月に発表するとしている。なお、2022年春のダイヤ改正においては、さらに利用状況に合わせたダイヤへと変更する予定で、JR西日本の全エリアを対象に、朝通勤時間帯も含めたすべての時間帯で、本数の見直しを実施するとしている。
JR西日本によると、2020年度の同社の利用者数は、2015年度と比較した際、在来線特急は約3割、近畿エリアやその他の西日本各エリアは約6~7割となっているという。また、時間帯別に利用者数を見た場合、大阪、京都、三ノ宮の主要3駅合計では、感染拡大前よりも昼間時間帯に約4割、夜間・深夜時間帯に約6割減少している。
同社は、減少した利用者数について、今後も感染拡大前の水準に戻ることはないと判断。構造改革として、利用状況にあわせた列車ダイヤの見直しの検討を進めてきた。「サンダーバード」「はるか」といった一部特急列車の運休、臨時列車化に加え、2021年3月ダイヤ改正では、深夜時間帯を中心に約300本の列車を見直していた。