静岡鉄道は11日、砕石運搬用の貨車「トコ1号」を、群馬県中之条町に無償譲渡すると発表した。
トコ1号は、1939年に導入した砕石運搬用の無蓋貨車。1990年ごろまで使用していたが、新型保守用車の導入によって役目を終え、同社の長沼車庫にて保存されていた。同社は今回、中之条町からの打診を受け、今回の譲渡を決定した。
中之条町では、1970年に営業を終え、翌1971年に廃止となった、吾妻線太子支線の旧太子駅において、「日本一の無蓋車公園」の整備を進めている。同駅では駅舎やホームなどを復元し、元大井川鐵道など全国各地の無蓋車を展示しており、今回の譲渡は同公園の整備の一環となる。
トコ1号の長沼車庫からの搬出は、7月ごろを予定する。静岡鉄道ではトコ1号の搬出に先立ち、同社1000形との展示イベントなどを、静岡県在住者限定で開催するとしている。