東武鉄道と東武商事は16日、特急列車の車内販売営業と、飲料自動販売機の販売を、8月31日(火)をもって取りやめると発表した。
東武鉄道の特急列車における車内販売は、現在、新型コロナウイルスの影響で営業を休止している。東武商事では、8月31日をもって、これら特急列車「スペーシア」「リバティ」の車内販売営業を終了。また、「スペーシア」「りょうもう」の自動販売機は、8月20日以降、順次営業を終了するとしている。なお、SL「大樹」における車内販売は、今後も継続する。
東武鉄道では、1720系「デラックスロマンスカー」にて、座席から食事を注文できるシートサービスを提供しており、後継の100系「スペーシア」でも引き継がれた。シートサービスは1995年に廃止されたが、車内カウンターやワゴンでの車内販売を継続。冷凍食品をレンジで加熱した商品などを販売してきた。また、1969年にデビューした、急行「りょうもう」用の1800系では、鉄道車両内に国内では初めて自動販売機を設置。後継の200系でも自動販売機を設置してきた。
近年、鉄道各社では車内販売営業を縮小する傾向にある。JR東日本では、2019年に対象列車を削減したほか、ホットコーヒーなどの販売も終了。JR北海道やJR四国、JR九州(観光列車を除く)では、自社グループによる営業を全廃している。また、小田急電鉄でも2021年3月に車内販売を全廃。東武鉄道の車内販売終了後は、大手私鉄特急での車内販売は、近鉄の「しまかぜ」「青の交響曲」を残すのみとなる。