JR東日本は7日、運転エネルギーの削減に向け、山手線で省エネ運転の研究に取り組んでいると発表した。
同社が研究を進めている省エネ運転は、加減速時間を短く、惰行時間を長くし、駅間所要時間を変えずに最高速度を抑えるもの。山手線での試行では、約10%の運転エネルギー削減を実現できたという。これは、1年間の換算では約500万kWh(CO2約1400トン)のエネルギー削減につながり、首都圏在来線で同様の効果を仮定した場合には、年間約2.3億kWh(CO2約7.3万トン)の削減が見込まれるという。
省エネ運転の実現には、山手線用のE235系が有する車両モニタリング機能を活用する。取得した走行データから、駅間ごとに、消費電力量、所要時間、加減速操作のタイミングなどを分析し、定時性と省エネを両立する運転曲線を抽出。これを再現して運転することで、エネルギーの削減に繋げる。
同社では今後、走行データ分析の自動化・効率化や、E235系導入他線区への展開、将来の自動運転への知見の活用など、省エネ運転の取り組みを推進していくことで、「脱炭素社会」の実現に貢献するとしている。