シャープと川崎重工、川重車両テクノは16日、既存の鉄道車両に設置できるプラズマクラスターイオン発生機を、共同で開発したと発表した。
このプラズマクラスターイオン発生機は、全長20メートルの車両に6台以上の搭載で、空気浄化に有効な「プラズマクラスター7000」のイオン空間を実現する。また、12台の搭載で、「プラズマクラスター25000」という、より高濃度のイオン空間になるという。
イオン発生機の大きはコンパクトなもので、吊り手棒受けに専用アタッチメントを取りつけることで固定できる。電源は近くの照明から配線を分岐させて確保するため、大がかりな設置工事は不要。このため、新造車両だけでなく、既存の車両へも容易に後づけできるとしている。ただし、吊り手棒受けの形状は車両によって異なるため、アタッチメントは専用設計となる。
3社はかねてから、鉄道車両向けの空気浄化システムを共同で開発し、川崎重工製の鉄道車両に搭載してきた。衛生意識が高まった昨今では清潔な移動空間がより強く求められ、簡単に設置できる空気浄化機器は、公共交通機関事業者の需要も多いという。
今回開発したイオン発生機は、すでに国内の鉄道事業者から発注を受け、搭載に向けた最終調整を進めている。3社は、今後も快適な車内空間の実現に向けて協力していくとしている。