JR九州は15日、九州鉄道記念館に保存しているキハ42055号気動車(キハ07形41号)が、国の文化審議会において重要文化財(美術工芸品)に指定をすべきとの答申を受け、重要文化財に内定したと発表した。
キハ42055号は、1937年に製造された気動車。現代の気動車で主流となっている方式とは異なり、クラッチを用いて変速する「機械式」の気動車となっている。文化庁では、車内外の多くに製造時の姿をとどめ、昭和初期の旅客車の現存例として重要であること、機械式の変速装置が残っている唯一の同型車両であること、日本の気動車史において貴重な車両であることから、今回の答申に至ったとしている。
キハ42055号の重要文化財指定は、九州に存在する鉄道車両としては初。また、気動車では日本初の事例となる。JR九州では、重要文化財の意義、重要性を認識し、引き続き展示車両として、また文化財としての保存に努めるとしている。