JR四国は18日、観光列車「伊予灘ものがたり」の新車両について、デザインを決定したと発表した。
「伊予灘ものがたり」は、予讃線の松山~伊予大洲・八幡浜間を走る観光列車。2021年現在はキハ40系を改造した車両を使用しているが、12月をもって同車両による運転を終了し、新たに改造するキハ185系3両編成に置き換えることが発表されていた。
新たな列車コンセプトは、「レトロモダンな車内で大切な人と過ごす、上質な非日常空間」。デザインは従来車両のものを継承するが、快適性の向上を目指し、設備面でのブラッシュアップを図る。
外観は、伊予灘の夕景をモチーフとしたシンボルマークや、茜色と黄金色のカラーリング、側面に大きく描く和デザインの「ヱ雲(えぐも)」など、従来車両のものを踏襲。また、より夕日の光に映えるよう、同社の車両としては初めて、全面にメタリック塗装を施す。
車内のうち、1号車「茜の章」と2号車「黄金の章」については、ものがたりの一編を表した号車愛称や室内イメージを従来車両より継承。テーブルと椅子は、快適性向上のためにサイズを拡大する。また、従来車両にはない3号車は、サービスギャレーを備える貸切車両に改造。愛称は、「時間」「空間」という意味を持つ「はるか」、「伊予灘ものがたり」の持つあたたかさを表す「陽」、3号車のワンランク上の華やかさ、沿線に咲く花々を表す「華」を表す「陽華(はるか)の章」とする。同車両は定員8人のグリーン個室扱いとする。
新車両の導入にあわせ、同列車の乗車に必要な料金は、新たに特急料金を適用。乗車料金は、運賃、特急料金、グリーン料金の合計で、松山~伊予大洲間が3670円、松山~八幡浜間が4000円となる。また、3号車の乗車には、運賃・料金のほか、グリーン個室料金2万8000円が必要となる。
新たな車両の営業運転開始は、2022年春を予定。従来車両と同様に、松山~伊予大洲・八幡浜間を1日2往復する。