JR西日本は27日、新型総合検測車「DEC741」を導入すると発表した。
DEC741は、「鉄道システムの再構築」に向けた取り組みの一環として導入するもの。これまで使用してきた検測車「クモヤ443系」より機能を強化・追加し、作業の効率化を図る。
架線検測では、クモヤ443系の装置では不可能だった架線の高低差などの測定も可能にする「電気設備測定装置」を搭載する。また、現在は作業員が現地で行っている信号機などの電気設備の点検も、様々な角度で配置された50台のカメラにより各設備の状態を取得できる「電気設備撮像装置」を車上に設置して検測する。これらの装置によって現地での目視検査を削減し、重大労災のリスクを低減するほか、他の取り組みとあわせ、2030年までに鉄道設備の検査業務の約1割削減を目指すとしている。
走行システムには、電気式気動車「DEC700」と同一のものを採用する。気動車とすることで、同社管内の在来線全線を走行可能とする。また、JR四国やJR九州、IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道、肥薩おれんじ鉄道、WILLER TRAINSの各社路線へも乗り入れる。
DEC741形は、2両1編成が2021年11月に落成予定。JR西日本では、2022年4月より架線検測を開始し、2025年度の電気設備の検査の開始を目指すとしている。