JR東日本仙台支社は28日、新型のレール削正車を導入し、運用を開始したと発表した。
導入した新型レール削正車は、レールの頭面を削るミリング車と、研磨するグラインディング車の、2台で1セットの編成。ミリング車では、超硬度合金のカッター刃を取り付けた「ミリングホイール」を縦方向に回転させて、レールを削る。グラインディング車は、レールを前後に摺動する砥石で研磨し、レールの頭面を滑らかに仕上げる。従来のレール削正は、横方向に回転する砥石をレール頭面に押し当てて削る方式で、1回に削る深さは0.01ミリ程度だが、新型では1回に削る深さが0.3ミリ~2.0ミリとなり、より深く削正できる。
ミリングホイールによる削正方式は、同社では初めての導入で、摺動式と呼ばれるグラインディング装置の採用は、日本で初となる。
レールは、列車が繰り返し走行することにより、レール頭部の表面層に金属疲労が起こる。そこに生じた劣化の層を削り取ることで、レール全体の劣化を防ぐことができ、レールの交換頻度を抑制することができる。同社は新型レール削正車を導入し、レール交換作業を減らすことで、省メンテナンス化と鉄道工事における働き方改革を実現するとしている。
新型レール削正車は2編成を導入。2021年10月より、東北本線の宇都宮~盛岡間で運転を開始している。