JR西日本は17日、車いす利用者の乗降支援用として開発を進めている「可動スロープ」の現地検証を実施すると発表した。
可動スロープは、ホームと列車の段差や隙間を埋めるための装置。同社が開発中の装置では、駅の「列車検知センサ」が列車の到着を検知すると、スロープ先端のセンサーが乗降口とホームの距離を計測。スロープが自動で展開し、段差や隙間を埋める。また、乗降完了後に車両のドアが閉まると、スロープは自動的に収納する。加えて、「旅客検知3Dセンサ」や「スロープ先端部接触検知センサ」を設置し、装置稼働中の乗客の転倒や挟み込みを防止する。
車いす乗降支援用の可動スロープは、京急グループの京急ファインテックが、リモコンで操作する「ラクープ」を開発。沖縄都市モノレール(ゆいレール)などが採用している。また、ホームと列車の隙間を埋める装置としては、東京メトロなどがホームドア開閉に連動する「可動ステップ」を導入している。一方、JR西日本の装置は、列車の到着から出発までの一連の流れにあわせ、自動で段差と隙間の両方を埋める装置となっており、完成すれば鉄道事業者では初の導入事例となるという。
現地検証は、11月21日から2022年2月中旬まで、JRゆめ咲線桜島駅にて実施。屋外条件や、実際のホーム環境での動作安定性の確認、本装置を利用する乗客の利便性について検証するとしている。