JR東日本は7日、首都圏の在来線でのワンマン運転実施に向けた準備を進めると発表した。
同社では、最新技術を広く活用することで、首都圏の輸送システムの変革を進めている。この取り組みの一環として、首都圏在来線での「ATACS」(無線式列車制御システム)の導入拡大や、「ATO」(自動列車運転装置)の高性能化を実施し、輸送安定性向上や柔軟な運行の実現を目指すとしている。
ATACSは、従来のレールに信号電流を流す方式とは異なり、無線を活用して列車間隔を制御するシステム。宮城県の仙石線で導入されているほか、首都圏でも2017年に埼京線の一部区間で導入済みとなっている。同社では新たに、山手線と京浜東北線大宮~東神奈川間へATACSを導入。また、ATACSの無線を活用してATOを高機能化することで、「ATOS」(東京圏輸送管理システム)との連携による遅延回復や省エネ運転の実現を目指すとしている。さらに同社では、添乗員が乗車する形での自動運転(GoA3)の将来的な実現に向けて、開発を進めるという。
このほか同社では、山手線や京浜東北線に加え、根岸線へのATO導入も発表。また、南武線、横浜線、既にATO導入済みの常磐線各駅停車でも、ワンマン運転の実施に向け、車両改造工事や駅設備工事を進めるとしている。
山手線・京浜東北線へのATACS導入とATO高性能化は、2028~2031年ごろの使用開始が目標。また、その他各線でのATO導入・ワンマン運転開始については、2025~2030年ごろの導入に向けて、線区ごとに準備を進めるという。JR東日本では、運行管理と列車制御の融合と高機能化により、需要に応じたオンデマンドな輸送サービスの提供と、効率的でサステナブルな鉄道運営を目指すとしている。