大阪メトロは9日、中央線に新型車両「400系」と、新造車両「30000A系」を導入すると発表した。
400系は、現在中央線で活躍する20系と24系の置き換え車両として導入するもの。「大阪・関西万博」の開催を契機とした新世代車両として、最新の技術を取り入れて開発する車両となる。
外観は、前面をガラス張りの展望形状とし、宇宙船を意識させるデザイン。将来の自動運転や、同社が提供するアプリ、MaaSとの関連性を暗示させるものだという。側面は、ホーム可動柵時代の乗降口の明確化と、最新室内装備によるコミュニケーションをデザインテーマとし、扉に中央線の号線色のグリーンを主体に、各車両の装備に応じた配色としている。
車内では、落ち着いた配色の天井や、明度を高めた壁面・床面といったデザインにより、「モダンで快適な空間」を実現。また、編成中1両はクロスシート車両とし、移動のワクワク感や、パーソナルスペースの確保による安心感を提供する。このほか、座席背もたれの高さ拡大、空気清浄装置の設置、車内吊り広告の廃止による開放感の確保、先頭車両へのモバイル用電源(USB)つきカウンター設置といった乗り心地・車内サービス向上、荷棚設置位置の低下、扉上への2画面構成となる車内案内装置設置などのバリアフリー対策、防犯カメラ設置などの防犯対策も図っている。
機器面では、車内環境に応じて最適に運転する学習・予測制御を持つ空調装置を導入。また、車両機器類の動作情報などを常時地上設備へ送信するモニタリング機能を設け、車両保守や安全性向上につなげる。さらに、2024年度に計画しているという自動運転の実証実験に向け、指令所からの運行指令や情報伝達を行うデータ伝送機能といった各種機能を備える。
30000A系は、御堂筋線の30000系をベースとした車両。万博開催期間中の輸送力増強を目的に導入し、万博閉幕後は谷町線への転属を予定している。
車体設計は30000系と同様だが、デザインは従来のものから大幅に変更。号線色を残しつつ、「大阪のにぎわいと人々の輝く姿」をドットでシンボル化し、「未来社会」を表現するゴールドの帯を配することで、「そこに存在するすべての要素が多様性をもってランダムに『集まる』『つながる』」ことを表す。
車内では、ゴールドイエローやターコイズブルーを使用した腰掛けや、スパークルドットを配置した内壁などのデザインとし、明るく軽やか、さわやかな車内や、新たな未来を感じさせるワクワク感を演出したという。また、御堂筋線用の30000系と異なり、扉上の車内案内表示器を2画面構成とし、提供可能な情報量を拡大する。
大阪・関西万博は、2025年4月13日から10月13日まで、大阪市臨海部の夢洲にて開催を予定している。今回の新型・新造車両はこれにあわせて導入するもので、30000A系は2022年7月に、400系は2023年4月に、それぞれ運行を開始する。導入本数は、400系が6両編成23本、30000A系が6両編成10本。現在中央線で活躍する車両については、20系は400系により更新するほか、24系は他路線へ転用するとしている。大阪メトロの新型車両導入は、2011年デビューの御堂筋線30000系以来、12年ぶりとなるという。
【12月9日追記:プレスリリース訂正にともない、導入本数を訂正しました】