日立製作所とアルストムは9日、日立アルストムハイスピード共同事業体(HAH-S)と英国のハイスピード2が、「HS2」プロジェクトフェーズ1向け高速車両の設計、製造、保守に関する契約を締結したと発表した。
HS2(High Speed 2)プロジェクトは、イングランドの南北を結ぶ計画の高速鉄道路線。ロンドン~バーミンガム間のフェーズ1、バーミンガム~クルー間のフェーズ2a、クルー~マンチェスター間・バーミンガム~リーズ間のフェーズ2bの3段階で整備する計画となっている。英国には現在、ロンドンとドーバー海峡を結び、英仏海峡トンネルを介してフランスの高速鉄道と接続する「High Speed 1(HS1)」が運行されており、HS2はこれに続く高速鉄道路線となる。
今回HAH-Sが契約を締結した車両は、欧州最速となる時速360キロでの営業運転に対応。8両編成で全長は200メートルとなる。製造数は54本で、英国内で設計、製造を進める。これにより、数千人規模の環境価値向上に貢献する雇用を創出するとしている。
日立製作所では、日本の新幹線車両製造に携わるほか、英国ではHS1を最高時速225キロで運転するクラス395「ジャベリン」を2007年より製造。またアルストムでは、フランスの高速鉄道「TGV」の開発を始め、25か国の高速鉄道プロジェクトに関わっており、両社ともに高速鉄道車両に関する実績を持っている。
HS2向け車両の製造開始は、2025年を予定。HS2は2029年~2033年のフェーズ1開業を予定している。