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春のJRダイヤ改正概要発表、着席サービス拡充や列車削減が目立つ内容に

2021年12月17日(金)16時39分

JRグループなどは17日、2022年春のダイヤ改正の概要を発表した。

新幹線では、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」のうち、早朝・夜間に運転する30本を速達化。山陽エリアから名古屋・首都圏エリアへの滞在可能時間拡大も図る。JR東日本では、上越新幹線にE7系を追加投入するほか、山形新幹線「つばさ」を全車指定席列車に変更。一方、各新幹線で利用の少ない列車の運行を見直し、計42本を定期列車から臨時列車に変更する。JR九州では、「さくら」の一部を臨時列車に変更するほか、運転区間の短縮や運転本数・ダイヤの見直しを実施する。

全車指定席となる「つばさ」
全車指定席となる「つばさ」

在来線特急では、JR東日本が通勤時間帯の特急列車を拡充。「スワローあかぎ」「さざなみ」「かいじ」の各1本の運転時間帯を変更するほか、大崎駅に「湘南」5本を停車。「成田エクスプレス」の千葉駅停車列車を拡大するほか、「湘南」1本、「あずさ」2本、「かいじ」1本を東京駅発着に、「ひたち」1本、「ときわ」2本を品川駅発着に、それぞれ運転区間延長する。JR北海道では、「おおぞら」全列車をキハ261系に統一。「北斗」では北海道新幹線との接続改善を図る。JR東海では、列車名に冠していた愛称「(ワイドビュー)」を廃し、それぞれ「しなの」「ひだ」「ふじかわ」などと名称を変更する。JR西日本では朝通勤時間帯における阪和線特急列車を約25分間隔とするほか、JR九州では福間駅への特急列車停車拡大により、それぞれ通勤時間帯の利便性向上を図る。一方、各社ともに利用の少ない列車の運転を見直し、臨時列車化や運転取り止めを実施する。

「(ワイドビュー)」の愛称を外すJR東海の特急
「(ワイドビュー)」の愛称を外すJR東海の特急

在来線の普通列車では、都市圏を中心にダイヤを見直す。JR北海道では、夕時間帯の札沼線の本数を削減するほか、函館本線で土休日運休の列車を拡大。函館本線や室蘭本線など22本の列車では、土休日の編成両数を削減する。JR東日本では、常磐線普通列車の品川駅発着列車を拡大する一方、日中時間帯の特別快速を廃止。京葉線では日中時間帯の列車を削減するほか、相模線と横浜線の直通運転は廃止する。このほか、朝通勤時間帯における首都圏各線の列車を削減するほか、新潟エリアの快速「信越」「あがの」は廃止。仙石線や磐越西線ではダイヤを全面的に変更し、磐越西線では新たにパターンダイヤを導入する。JR東海では、中央線名古屋~中津川間の全列車を8両編成に統一。静岡エリアでは土休日運転の「ホームライナー」の運転を取りやめる。JR西日本では、近畿エリアの郊外路線や北陸エリア、中国エリアで、日中時間帯の運転本数を削減。岡山エリアの快速「サンライナー」は全て運転を取りやめる。また、和歌山線・万葉まほろば線では、直通運転パターンを奈良~高田間・王寺~高田~和歌山間に改める。JR九州では、運転区間を分割していた列車12本を直通運転化し、これらを6本に統合する。

在来線普通列車では、車両の置き換えも進める。JR北海道では、H100形を30両を根室本線新得~釧路間、石北本線旭川~上川に投入。根室本線の同区間普通列車全54本と、石北本線の同区間24本中19本をH100形による運用とする。JR東日本では、相模線全列車をE131系に統一するほか、宇都宮線小山~黒磯間、日光線でE131系の運転を開始する。JR西日本では、おおさか東線の全列車を221系による運転とし、同線での201系の運用を終了する。また、広島エリアの227系の運用区間を、新山口駅まで拡大する。ダイヤ改正に先立つ3月5日には、JR東海が中央本線に315系を投入する。

3月5日に営業運転を開始する315系
3月5日に営業運転を開始する315系

駅の見直しも実施する。JR北海道は、函館本線の池田園駅、流山温泉駅、銚子口駅、石谷駅、本石倉駅、根室本線の糸魚沢駅、宗谷本線の歌内駅を廃止。JR東日本でも、北上線の平石駅、矢美津駅を廃止する。一方、JR北海道では、札沼線あいの里公園~石狩太美間に「ロイズタウン」駅を新設。あわせて、石狩太美駅と石狩当別駅の駅名を、それぞれ「太美(ふとみ)」駅、「当別(とうべつ)」駅に変更する。また、宗谷本線東風連駅も、設置箇所を移設し「名寄高校」駅へ改称する。

ロイズタウン駅(イメージ)
ロイズタウン駅(イメージ)

新ダイヤの施行日は、2022年3月12日(土)。同日、東武鉄道や小田急電鉄などでも、ダイヤ改正を実施する。

2021年12月17日(金)16時39分更新
 

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