JR西日本は16日、特急「やくも」用として、新型車両「273系」を導入すると発表した。
273系は、従来の381系と同様、カーブでの通過速度を向上できる「振り子式」を採用。遠心力のみで傾斜を制御する381系の「自然振り子式」や、地上子などで位置を検知・補正し制御する従来型の「制御付自然振り子方式」に対し、273系では「車上型の制御付自然振り子方式」を採用。車上の曲線データと走行地点のデータを連続して照合し、適切なタイミングで車体を傾斜させる、国内初の方式を実用化するという。
このほか、車両の詳細な仕様やデザインについては検討中だとしているが、同社の287系や271系と同様、高運転台の構造を採用。車体の衝突安全対策を図っている。また、防犯カメラの設置による車内セキュリティ向上、機器の二重系化等による安全性・安定性向上を図るほか、座席間隔の拡大、座り心地を改善したコンセントつき座席の採用、空気清浄機の搭載による乗り心地向上を図る。
273系の営業運転開始は、2024年春以降を予定。4両編成11本の導入を予定する。
またJR西日本では、273系の投入に向けて、特急「やくも」運転開始50周年となる2022年3月より、381系6両編成1本を、国鉄特急色に変更し運転するとしている。