JR東海は17日、東海道新幹線車両の全般検査と台車検査の周期を延伸すると発表した。
同社では、新型車両の積極的な投入や、走行中の車両データの監視体制の確立などにより、装置の信頼性・耐久性・保守技術の向上を進めていた。これを踏まえ、過去3年分の検査・修繕実績、実際に検査周期を延伸させた車両での各検証を実施し、安全性を確認できたことから、検査周期の延伸を決めたという。これにより、車両を営業運行に充当できる期間が増え、車両運用に余裕が生まれることから、柔軟な車両運用が可能となるほか、検査に必要な人員を削減できる。また、部品の交換数量が削減できることなどから、年間約40億円のコスト減少が見込めるとしている。
検査周期は、全般検査が現行の「120万キロまたは36か月以内」から「160万キロまたは40か月以内」へ、台車検査が現行の「60万キロまたは18か月以内」から「80万キロまたは20か月以内」へ、それぞれ延伸する。この周期延伸にともない、全般検査で実施するモーター部品の潤滑材交換を台車検査でも実施するなど、一部の検査を強化する。
周期延伸の実施時期は、2022年4月を予定する。当面は同月以降に投入されるN700Sに適用し、その後、2026年度末までに、すべてのN700SとN700Aに範囲を広げるとしている。なお、N700系にN700Aの機能の一部を追加した車両は対象外となる。