JR東海は9日、在来線車両の状態監視システム「DIANA」(ディアーナ)の運用を開始すると発表した。
DIANAは、新型車両の315系とHC85系に搭載する、車両機器の稼働状況や故障状況等を遠隔で常時監視できるシステム。これまでの車両では、1日~数日間に1回程度、車両基地にて動作データを地上へ送信していたが、DIANAではLTE通信を活用することで、車両基地などへリアルタイムにデータを送信できる。これにより、車両不具合の予兆を車両基地などへ通知し、不具合に至る前の段階での調査・修繕対応を可能とするほか、異常発生時にも車両基地や指令所などで状況を把握できるようになるという。
DIANAのデータ取得対象は、315系が9機器、HC85系が12機器。いずれも従来の313系やキハ25系より取得対象機器が増加している。また、HC85系においては、エンジンや過給機、ラジエーターといった、エンジン関連機器をデータ取得対象に含めている。これらエンジン関連のリアルタイムなデータ通信は、国内では初の事例だという。
また、315系においては、DIANAを活用することで、きめ細やかな冷房制御を実現。乗務員が手動補正した時点の各種データを地上へ送信し、AIが自動学習することで、冷房をきめ細やかに制御し、快適な車内環境を維持する。
DIANAの運用開始は、2022年4月1日を予定。なお、315系のAIによる冷房の自動学習・制御最適化機能については、同形式がデビューした3月5日に運用を開始している。