東京メトロは25日、駅バリアフリー設備の整備拡大に向け、運賃の加算を実施すると発表した。
今回の運賃加算は、国が創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用。普通旅客運賃は大人10円、通勤定期旅客運賃は1か月370円などを加算する。小児運賃の加算料金は大人料金の半額とするほか、通学定期旅客運賃は加算対象外となる。
同社はこれまで、ホームドアやエレベーター、バリアフリートイレなどの整備を継続。2021年度末時点で、ホームドアは整備率83.3%、エレベーター設置ルートは同98.3%、バリアフリートイレは同100%となっているという。今後、2025年度までに大規模改良工事が進行中の箇所を除く全駅へのホームドア整備完了を目指すほか、エレベーターやバリアフリートイレ、段差縮小設備などの整備を実施。さらに2029年度までに、ホームドア136駅273番線、エスカレーター70駅161基の設備更新を予定している。バリアフリー設備の総整備費は、2021年度から2025年度までの合計が約519億円、2026年度から2029年度の合計が約306億円となるという。
今回発表した運賃の加算分は、バリアフリー設備の整備に充当。年間の徴収額は約110億円を見込む。加算運賃の料金設定は、同社が25日付で国土交通省関東運輸局に届け出ており、2023年3月ごろの収受開始を予定している。