JR東日本は13日、新型砕石輸送気動車および事業用電車の量産車を新造すると発表した。
新型砕石輸送気動車「GV-E197系」は、線路用の砕石を搭載する車両「ホッパ車」と、ホッパ車をけん引する気動車からなる車両。砕石輸送や砕石散布作業のほか、けん引車両は非電化区間の車両入換作業や回送車両けん引などに使用する。事業用電車「E493系」は、直流電化区間および交流電化区間の双方で走行可能な車両。2両編成で、車両入換作業や回送車両けん引などに充当する。両形式は、いずれも2021年に量産先行車を導入。性能試験や技術検証の結果を踏まえ、量産車の投入に至った。
同社ではこれまで、砕石輸送や砕石散布、車両の長距離回送において、国鉄時代に製造された電気機関車やディーゼル機関車、貨車を使用してきた。しかし、いずれも老朽化が進んでいるほか、一般的な電車・気動車とは構造が異なるため、運転取扱およびメンテナンスの面で課題となっていた。
新たに同社が開発した2形式は、いずれも電気式気動車および電車と構造を統一し、機関車固有の運転方法やメンテナンス方法を排除。GV-E197系では、ホッパ車の両端にけん引車を配置することで、方向転換時の機関車の付け替え作業も不要となる。
投入両数は、GV-E197系がホッパ車を含む6両編成が6本およびけん引用車両2両、E493系が2両編成1本。運用開始時期は2023年度以降で、JR東日本全エリアで順次運用を開始する。