南海電気鉄道と京三製作所は16日、和歌山港線にて自動運転の実証実験を実施すると発表した。
和歌山港線で実施する自動運転は、既存の信号機やATS(自動列車停止装置)といった設備を活用しつつ、新たな設備を整備して対応するもの。車両側の設備としては、自動列車運転装置や、自動運転列車の乗務員用の操作表示部を新設。地上設備としては、これまで運転士が確認・判断していた、信号機の現示や走行経路情報といった情報を、車両の自動列車運転装置に伝達するための設備を一部新設する。
鉄道の自動運転は、国際公共交通連合(UITP)によって、GoA0からGoA4までの5段階に分類されている。また、日本においては、UITPによらない分類として、いわゆる「GoA2.5」が検討されている。今回南海が実証実験を経て目標とするレベルはGoA2.5で、先頭部に運転士ではない係員が乗務し、非常時には緊急停止スイッチの操作や避難誘導を担うこととなる。
南海の実証実験は、2023年度より実施する予定。昼夜の試運転車両において、運転士が乗務した状態で実施し、乗客を乗せた営業列車では実施しない。同社では、実証実験の詳細については、改めて知らせるとしている。