国土交通省が設置した「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」は25日、ローカル線区のあり方に関する提言を発表した。
今回の提言では、危機的な状況のローカル線区について、沿線自治体が中心となって協議会等を設け、将来に向けた地域モビリティのあり方について検討を進めることが基本原則であるとした。一方、基本原則がうまく機能しない地域や線区において、「利用者の著しい減少などを背景に利便性および持続可能性が損なわれていること」「関係者の合意形成にあたって広域的な調整が必要と認められること」の2点を満たす線区については、鉄道事業者または自治体の要請を受けた国が協議会を設置し、協議を進めることとした。
JR各社については具体的な数値を定め、旅客の輸送密度(1日あたりの平均利用者数)が1000人未満、かつピーク時の1時間あたりの輸送人員が500人未満を一つの目安とする。一方、拠点都市間を結ぶ特急列車の運行線区や、貨物列車が多数運行されているなど、鉄道ネットワークの構成路線として重要な線区については、国が設置する協議会の対象外とする。
検討会では、「守るものは鉄道そのものではなく、地域の足であるとの認識」のもと、廃止ありき、存続ありきという前提を置かずに協議するべきとしている。