阪急電鉄と阪神電気鉄道は3日、駅バリアフリー設備の整備拡大に向け、運賃の加算を実施すると発表した。
今回の加算は、国が創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用するもの。神戸高速線を除く阪急各線、阪神各線が対象で、各社とも、普通旅客運賃は大人10円、通勤定期旅客運賃は1か月380円などを、「鉄道駅バリアフリー料金」として運賃に加算して収受する。小児運賃の加算料金は大人の同料金の半額とするほか、通学定期旅客運賃は加算対象外となる。
両社はこれまで、駅バリアフリー設備の整備を進めており、阪急では約98%、阪神では100%の駅が、エレベーターやスロープによるバリアフリー化を実現しているという。また、阪急では神戸三宮駅や十三駅の一部、阪神では神戸三宮駅や大阪梅田駅の一部に、可動式ホーム柵を設置。阪急では、スペースが限られる春日野道駅や中津駅へもエレベーターを整備し、全駅のバリアフリー化実現を目指している。一方、バリアフリー設備の整備に向けては、阪急では2021年度~2035年度に約900億円、阪神では2022年度~2035年度に約320億円超が必要になるとしている。
鉄道駅バリアフリー料金は、バリアフリー設備の整備に充当。年間の徴収額は、阪急が約37億円、阪神が約14億円を見込む。収受開始は2023年4月1日を予定している。また今後、阪急では2040年度末ごろまでに、阪神では2042年度ごろまでに、全駅への可動式または固定式ホーム柵の設置を目指すとしている。