小田急電鉄は4日、駅バリアフリー設備の整備推進に向け、運賃を加算すると発表した。
今回の加算は、国が創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用するもの。対象路線は小田急線全線で、普通旅客運賃は大人10円、通勤定期旅客運賃は1か月600円などを、「鉄道駅バリアフリー料金」として運賃に加算し収受する。小児運賃の加算料金は大人の同料金の半額とするほか、通学定期旅客運賃、小児ICカード運賃(一乗車一律50円)は加算の対象外となる。
同社はこれまでに、エレベーターやスロープ、バリアフリートイレの設置など、駅バリアフリー設備の整備を進めてきた。また、新宿駅など1日あたり10万人以上の利用がある8駅に対し、ホームドアを整備。2022年度には、本厚木駅で特急車両に対応したホームドアの導入を予定しているという。今後、2032年度を目標に小田原線新宿~本厚木駅間の各駅と、江ノ島線中央林間、大和、藤沢の各駅にホームドアを設置するほか、ホームと車両床面の段差・隙間の縮小対策、老朽化したエレベーターや運行情報提供設備などの更新を推進するとしている。
鉄道駅バリアフリー料金は、バリアフリー設備の整備に充当。年間の徴収額は、約47億6300万円を見込む。収受開始は2023年3月頃を予定している。