大阪メトロは10日、国土交通省近畿運輸局長に対し、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した料金設定や整備計画を届け出た。
鉄道駅バリアフリー料金制度は、都市部の鉄道利用者の薄く広い負担により、バリアフリー設備の整備拡大を目指すため、国が創設したもの。大阪メトロでは、同制度に基づく「鉄道駅バリアフリー料金」として、普通旅客運賃は大人10円、通勤定期旅客運賃は1か月380円を、運賃に加算し収受。対象は全路線で、各種回数券や1日乗車券にも加算する。小児運賃の加算料金は大人の同料金の半額とするほか、通学定期旅客運賃は加算対象外とする。同料金の年間徴収額は57億5400万円を見込む。
料金設定にあわせて届け出たバリアフリー設備の整備計画では、2021年度から2025年度にかけて、72駅147番線への可動式ホーム柵整備、83駅152改札口へのサービス情報表示器設置など、2026年度から2035年度にかけて、御堂筋線への低床車両18本の導入による段差解消、20駅33基へのエレベーター整備などを盛り込んでいる。このうち、2025年度以前の整備予定分の一部を除く各整備計画に対し、バリアフリー料金制度を活用する。総整備費は、2021年度から2025年度までで392億9500万円、2026年度から2035年度までで1060億8900万円を見込む。
鉄道駅バリアフリー料金の収受開始は、2023年4月1日を予定。大阪メトロは、あらゆる利用者が今以上に便利で快適に利用できるよう、ハード・ソフトの両面からバリアフリー化の促進に取り組むとしている。