山陽電気鉄道は10日、駅バリアフリー施設の整備推進を目的に、運賃を加算すると発表した。
今回の加算は、国が創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用するもの。同鉄道線全線が対象で、普通旅客運賃は大人10円、通勤定期旅客運賃は1か月360円などを、「鉄道駅バリアフリー料金」として運賃に加える。なお、小児運賃の加算料金は大人の同料金の半額、通学定期旅客運賃については加算対象外としている。
同社はこれまで、エレベーターやスロープの設置といった、段差の解消を中心とした駅バリアフリー設備の整備を進めてきた。1日あたりの平均利用者数が3000人以上の駅はすでに整備が完了しているが、今後も引き続きこれらの整備を推進し、安全性や機能性の維持、向上を目的とした更新工事を順次実施するとしている。これに必要とされる整備費用は、2035年度までに58億円を超える見込みという。
鉄道駅バリアフリー料金は、バリアフリー設備の整備に充当。収受開始は、2023年4月1日の予定とし、年間の徴収額は、約2億6800万円を見込んでいる。