JR西日本は19日、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し、バリアフリー設備の整備を加速すると発表した。
鉄道駅バリアフリー料金制度は、都市部の鉄道利用者の広い負担により、バリアフリー設備の整備拡大を目指すため、国が創設したもの。JR西日本では、同制度に基づく「鉄道駅バリアフリー料金」として、普通旅客運賃は大人10円、通勤定期旅客運賃は1か月300円を、運賃に加算して収受し、バリアフリー設備の整備費などに充当する。小児運賃の加算料金は大人の同料金の半額とするほか、通学定期旅客運賃は加算対象外とする。
同料金の収受については、現行の運賃体系の制約により、2段階にわけ実施する。2023年4月1日には、JR京都線・JR神戸線の京都~西明石間、大阪環状線、阪和線などの「電車特定区間」で収受を開始。2025年春ごろには、嵯峨野線京都~亀岡間やJR宝塚線尼崎~新三田間などへも収受区間を拡大する。いずれも、在来線利用時のほか、山陽新幹線利用時も対象とする。同料金の年間徴収額は、2024年度までが約52億円、2025年度以降が約73億円を見込む。
また同社では、料金収受エリアの拡大にあたっては、整備対象エリアの運賃体系の共通化も課題であるとし、今後検討を進めるとしている。
JR西日本では、2027年度までの計画として、ホーム柵を25駅78番線、ホーム安全スクリーンを84駅245番線への整備完了を目標に設定。TASC(定位置列車停止装置)の整備や、ホームと車両の段差隙間縮小などとあわせ、バリアフリー設備の整備を進めるとしている。整備に向けては、バリアフリー料金収受エリアの拡大にあわせて整備対象を拡大。2027年度までの総整備費は、約474億円を見込んでいる。