JR西日本は24日、次世代バイオディーゼル燃料の導入に向けた実証実験を実施すると発表した。
実証実験は、3段階にわけて実施する。2022年度はエンジン単体での試験として、軽油と次世代バイオディーゼル燃料を混合した形で実施。混合率5パーセントから段階的に100パーセントへと引き上げ、軽油を使用した場合との差異を確認する。続いて、2023年度に試運転列車での次世代バイオディーゼル燃料100パーセントによる走行試験を実施。2024年度には、複数の営業列車での長期走行試験を実施する。試験の実施路線は山陰本線などで、DEC700やキハ40系を使用するとしている。
今回の実証実験は、2021年に同社グループが策定した環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」に基づく取り組みの一環。また、国土交通省が公募した「鉄道車両におけるバイオディーゼル燃料の導入に向けた技術開発」において、鉄道総合技術研究所とJR7社が共同提案した計画が採択されたことを受け、JR西日本エリアを中心として実証実験に取り組むこととなったという。
JR西日本はバイオディーゼル燃料の本導入について、2025年度以降を目標に掲げる。同社はバイオディーゼル燃料の導入により、2021年度で約5万5000トンのCO2排出量を実質ゼロの実現を目指す。また、今回の取り組みによる他社も含めた鉄道車両やディーゼルエンジン採用機械へのバイオディーゼル燃料導入拡大によって、スケールメリットにより燃料調達コストの低下が図られ、さらなる次世代バイオディーゼル燃料の普及が見込めるとしている。