JR四国は26日、国土交通大臣に対し、旅客運賃の上限変更認可を申請したと発表した。
申請後の運賃では、100キロまでの区間について、新たに賃率によらない「対キロ区間制運賃」を導入。101キロ以上の区間では、200キロまでに適用する賃率を3円引き上げる。改定後の大人普通運賃は、高松~岡山間が1660円(現行1550円)、徳島~鳴門間が430円(現行360円)、松山~今治間が1080円(現行970円)など。また、特急券についても、25キロまでの区間では自由席特急料金を330円から450円とするほか、指定席特定特急料金は廃止。50キロまでの自由席特急料金も特定料金を廃止し、現行の530円からA特急料金と同額の760円とする。改定率は、定期外が12.51%、通勤定期が28.14%、通学定期が22.43%、料金が5.13%となる。
今回の申請は、人口減少や人件費の増加、設備の老朽化といった従来からの課題に加え、原材料費の上昇傾向、オンライン会議やテレワークの定着といった情勢を受けたもの。同社は、安全・安定輸送を確保するために必要となる安全投資、修繕を確保したうえでの経費削減には限界があり、現在の運賃・料金水準では中長期的な事業継続は極めて困難と判断したことから、実質的に1996年1月以来となる運賃改定に踏み切ったとしている。
運賃改定の実施は、2023年春を予定する。