広島電鉄は6日、広島市が国土交通大臣に対し、広島電鉄の運賃改定を含めた「広島市地域公共交通利便増進実施計画」の認定について申請したと発表した。
運賃の改定は、均一運賃区間となる市内線が対象。本線(白島線以外の区間)、白島線とも、現行運賃より30円値上げする。改定後の大人普通旅客運賃は、本線が220円(現行190円)、白島線が160円(現行130円)。宮島線のみの運賃は対象とはならないものの、市内線と乗り継ぐ場合に適用する「鉄軌道連絡割引」は、一部区間が改定対象となる。
運賃改定にあわせて、同社は定期券「広島シティパスワイド」と乗車券「デジタルシティパス」を新たに発売する。「広島シティパスワイド」は、従来の「広島シティパス」より利用範囲を拡大したもの。従来の190円均一区間に加え、宮島線の一部区間なども利用可能となる。「デジタルシティパス」は、220円均一区間が6時間乗り放題となる乗車券で、デジタルチケットサービス「MOBIRY」にて発売する。このほか、既存の「広島シティパス」についても、運賃改定によるバス均一運賃エリア拡大にともない、利用エリアを拡大。あわせて、「どっちもパス」、「エリアフリーパス」の一部などは廃止する。
今回の運賃改定は、人口減少や少子高齢化、新型コロナウイルスの影響による公共交通の利用者減少を受け、事業者や交通モードの枠を超えた「路線バス・電車共通のサービス」実現を目指すもの。市内線の運賃を値上げする一方、路線バスでは従来の190円均一エリアを拡大し、一部区間の値下げを含む220円均一エリアとすることで、利便性の向上を図る。
運賃の改定は、2022年11月1日(火)を予定する。