JR東日本は16日、「オフピーク定期券」を導入すると発表した。
オフピーク定期券は、平日朝のピーク時間帯以外の時間帯(オフピーク時間帯)のみ利用可能な通勤定期券で、ICカード乗車券「Suica」で発売する。通常の定期券より割安な値段とする一方、ピーク時間帯の利用には別途IC普通運賃が必要となる。利用時間の判定は、駅入場時に実施。各駅のピーク時間帯は、現在実施している「オフピークポイントサービス」のピーク時間帯を基本に設定する予定で、その詳細は別途発表するとしている。
設定区間は、東京の電車特定区間内で完結する区間。JR東日本と私鉄、地下鉄にまたがるSuica通勤定期券においても、JR東日本の対象路線が設定区間内に含まれている場合、オフピーク定期券を発売する予定としている。なお、グリーン定期券や新幹線定期券「FREX」にはオフピーク定期券は設定しないほか、通学定期券、磁気定期券も対象外となる。
オフピーク定期券の運賃は、現行の通勤定期券より約10%値下げした額に設定する。同社はあわせて、東京の電車特定区間内で完結する通常の通勤定期運賃について、現行より約1.4%値上げした額で、国土交通大臣に対し認可申請した。オフピーク定期券導入後の1か月定期運賃は、1キロ以上3キロ以内でオフピーク定期券が3550円、通常の定期券が4000円(現行3950円)などとなる。なお、同社では2023年3月に「鉄道バリアフリー料金」を導入する予定で、定期券は同料金を加えた額での発売となる。
今回のオフピーク定期券導入は、コロナ禍でニーズが高まる「3密」回避や混雑緩和という課題に対し、利用者のピークシフトを狙ったもの。通常より割安なオフピーク定期券を発売する一方、通常の定期券は価格を値上げし、全体として増収とならない程度で定期運賃に価格差を設けることで、オフピーク通勤の促進を狙う。
オフピーク定期券の発売と定期運賃の改定は、2023年3月を予定する。