東武鉄道は19日、駅設備をはじめとした施設のバリアフリー化推進を目的に、運賃を加算すると発表した。
加算額は、普通運賃が大人10円、通勤定期が大人1か月600円などで、子ども運賃は料金加算後の大人運賃の半額となる。なお、通学定期は加算の対象外とする。対象路線は東武線全線で、年間徴収額は25億7100億円を見込む。
今回の運賃加算は、国が創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用するもの。東武鉄道は現在、ホーム柵、エレベーター、バリアフリートイレといった駅バリアフリー設備の導入を進めている。
同社は今回、ホーム柵整備について新たな計画を策定。今後、2025年度までに25駅、2035年度までに85駅への設置を予定し、将来的には都心に直通する東武本線押上・浅草~久喜・南栗橋間、東上線池袋~森林公園間、野田線(東武アーバンパークライン)全駅の計99駅に整備するとしている。
駅設備のバリアフリー化については、1日あたりの利用者が3000人以上、および2000人以上かつ自治体が策定するバリアフリー基本構想の生活関連施設に指定された駅(計128駅)を対象に、2025年度までに実施する。このほか、ホームと車両の段差および隙間の縮小、トイレの洋式化・リニューアルなどの促進、すでに整備されているバリアフリー設備の適切な維持管理、更新も実施する。
運賃の加算は、2023年3月頃の開始を予定する。