JR西日本は20日、特急「やくも」に投入する新型車両「273系」のデザインを決定したと発表した。
車両のデザインは、同社の「WEST EXPRESS 銀河」などを手掛けたイチバンセン代表の川西康之氏と、近畿車輛デザイン室が担当。デザインのコンセプトは、「沿線の風景に響き自然に映える車体、山陰の我が家のようにくつろげる温もりのある車内」とする。
外観は、「山陰や伯備線の風景に響き、自然に映える車体」を目指し、「鬱金色」「黄金色」「銅色」「赤銅色」のグラデーションからなる「やくもブロンズ」でデザイン。車体正面や側面には、「モダンに八雲立つ、伝統の継承」をコンセプトとしたロゴやシンボルマークを配する。
客室内は、「山陰の我が家のようにくつろげる温もりのある車内」がコンセプト。グリーン車の座席は、明るく空間の広がりを感じられる黄色をベースに、富と長寿の象徴とされる亀の甲羅をイメージした「積石亀甲」模様をデザイン。普通車では、沿線の山々をイメージした緑色をベースに、魔除けの意味がある「麻の葉」の模様を座席にあしらう。
このほか、グループ向けの座席を新たに導入。大型テーブルと簡易的な仕切りを設置するほか、座席はフラットに転換できるものを設置し、くつろぎを演出するとしている。
273系は、現在「やくも」で使われている国鉄型車両の381系を置き換えるもの。381系と同様に、カーブでの通過速度を向上できる「振り子式」を採用する。導入両数は4両編成11本で、2024年春以降の営業運転開始を予定している。