静岡鉄道は26日、国土交通省中部運輸局長に対し、鉄道事業における旅客運賃上限変更の認可を申請した。
改定後の大人普通旅客運賃は、全区間で一律20円の値上げとする。通勤定期運賃は、大人1か月の2キロ以下が現行の4700円から5760円、9キロ超10キロ以下が同1万1900円から1万3860円などへと変更する。運賃改定率は、定期外運賃で10.8%、通勤定期運賃で17.6%となる。なお、通学定期運賃は、改定の対象外とする。
今回の運賃改定は、鉄道事業継続の前提である輸送の安全を確保し続けることを目的としたもの。同社はこれまで、ホーム柵設置、新型ATS(自動列車停止装置)導入、車両の更新といった安全投資とともに、自動改札機や駅遠隔操作システムなどの導入による業務の省力化・効率化を進めてきた。しかし、施設の老朽化や安全対策の高度化などにより設備維持の費用が増加する一方、利用者数は減少傾向にあり、経営環境は厳しくなっているという。そこで、今後もさらなる経営努力を前提に、安全、安定的な輸送を維持し、快適な輸送サービスを提供できるよう、運賃の改定を決定したとしている。
運賃の改定は、2023年4月1日を予定している。同社は今後も、2023年度を予定するA3000形の導入完了や、駅のバリアフリー化といったサービス向上策、駅務機器の更新などによるメンテナンス費用の削減などを進めていくとしている。