鉄道コム

JR東、新幹線の線路メンテナンス改革に向け新車両を導入

2022年12月13日(火)14時56分

JR東日本は13日、新幹線の線路メンテナンスにおいて「スマートメンテナンス」を開始すると発表した。

JR東日本の新幹線
JR東日本の新幹線

スマートメンテナンスは、ICTなどの先端技術を活用し、メンテナンス作業の業務改善を図るもの。同社は今回、「レールモニタリング車」と「線路設備モニタリング車」を導入し、新幹線の線路メンテナンス分野におけるスマートメンテナンスを実現する。

レールモニタリング車は、超音波によるレール内部の傷の発見や、レール表面の凹凸や摩耗などの状態把握を通し、レール状態を総合的にモニタリングする車両。従来の約2倍の測定速度を実現しており、これは国内最速となるという。

レールモニタリング車(イメージ)
レールモニタリング車(イメージ)

線路設備モニタリング車は、「分岐器モニタリング装置」、「軌道材料モニタリング装置」、「点群データ取得装置」の3種類の測定装置を搭載。従来は目視あるいは人力で実施していた分岐器や線路および周辺設備の測定を集約し、作業の効率化を図る。新幹線全体の線路点検や検査にモニタリングデータを活用する仕組みの実用化は、国内初だという。

線路設備モニタリング車(イメージ)
線路設備モニタリング車(イメージ)
点群データ取得装置による取得データ(イメージ)
点群データ取得装置による取得データ(イメージ)

同社では、2種類のメンテナンス車両を導入し、従来の技術者による巡回点検や検査を機械化。目視による線路点検は約50%削減する一方、検査を最大12倍に高頻度化する。測定データを分析することで、設備の劣化予測の精度向上を可能とし、CBM(状態基準保全)を実現するという。

新幹線における「スマートメンテナンス」の流れ
新幹線における「スマートメンテナンス」の流れ
劣化予測精度向上のイメージ
劣化予測精度向上のイメージ

メンテナンス車両の導入時期は、レールモニタリング車が2023年度、線路設備モニタリング車が2024年度を予定する。

2022年12月13日(火)14時56分更新

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道未来インデックス

  • 神戸市西神車庫廃止[2025年度初頭]
  • 東海道本線静岡エリアお客様サポートサービス導入[2025年6月ごろ]
  • リニア・鉄道館ドクターイエローT4編成展示開始[2025年6月頃]
  • 超電導リニアL0系 改良型試験車「M10」投入[2025年夏]
  • 舞浜リゾートライン二次元コード乗車券導入[2025年夏以降]
  • 東急大井町線各駅停車用6020系導入[2025年夏以降]
  • 伊予鉄道ICい~カードサービス終了[2025年9月]

鉄道コムおすすめ情報

画像

阪神新型「3000系」導入発表

座席指定サービスにも対応、2027年春にデビュー予定。既存急行用車両も色を順次変更へ。

画像

荷物輸送専用の新幹線

荷物輸送サービス「はこビュン」の専用車両。E3系を改造し、2025年秋に投入予定。

画像

新型新幹線「E10系」開発発表

次期東北新幹線車両として開発。2027年秋以降に落成し、2030年度内に営業運転を開始。

画像

「元新京成車」扱いどうなる?

4月1日の京成電鉄と新京成電鉄の合併後、元新京成車はどうなる? 京成に取材しました。その将来の分析も。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

3月の鉄道イベント一覧

ダイヤ改正の3月到来。鉄道旅行や撮影の計画は、鉄道コムのイベント情報で。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。