JR東日本は13日、新幹線の線路メンテナンスにおいて「スマートメンテナンス」を開始すると発表した。
スマートメンテナンスは、ICTなどの先端技術を活用し、メンテナンス作業の業務改善を図るもの。同社は今回、「レールモニタリング車」と「線路設備モニタリング車」を導入し、新幹線の線路メンテナンス分野におけるスマートメンテナンスを実現する。
レールモニタリング車は、超音波によるレール内部の傷の発見や、レール表面の凹凸や摩耗などの状態把握を通し、レール状態を総合的にモニタリングする車両。従来の約2倍の測定速度を実現しており、これは国内最速となるという。
線路設備モニタリング車は、「分岐器モニタリング装置」、「軌道材料モニタリング装置」、「点群データ取得装置」の3種類の測定装置を搭載。従来は目視あるいは人力で実施していた分岐器や線路および周辺設備の測定を集約し、作業の効率化を図る。新幹線全体の線路点検や検査にモニタリングデータを活用する仕組みの実用化は、国内初だという。
同社では、2種類のメンテナンス車両を導入し、従来の技術者による巡回点検や検査を機械化。目視による線路点検は約50%削減する一方、検査を最大12倍に高頻度化する。測定データを分析することで、設備の劣化予測の精度向上を可能とし、CBM(状態基準保全)を実現するという。
メンテナンス車両の導入時期は、レールモニタリング車が2023年度、線路設備モニタリング車が2024年度を予定する。