大阪メトロは21日、森之宮検車場内に新駅を設置する方針を決定したと発表した。
森之宮検車場は、大阪城の東側に位置する車両基地。新駅は、2025年の開催を予定する「大阪・関西万博」終了後に不要となる留置線の跡地を活用する形で設置する。
新駅周辺では、大阪市が「大阪城東部地区のまちづくりの方向性」を策定。大阪公立大学の新キャンパス設置を始めとする再開発計画を進めている。この開発エリアは、大学などの需要に対してアクセス性が弱く、交通環境の整備が求められていた。
大阪メトロでは、車両基地用地の再開発に加え、新駅を設置することで、アクセス性の向上を図る。加えて、万博閉幕後の再開発が見込まれる夢洲との直結による東西軸の強化、新たな輸送モビリティとも結節した次世代交通ターミナルの設置、次世代鉄道システム導入に向けた実証の場としての活用も目指すとしている。
新駅の外観は、球体が浮かび上がるイメージ。再開発エリアのまちづくりコンセプト「大学とともに成長するイノベーション・フィールドシティ」と合致し、夢洲と対峙する「シンボリック、かつ、インテリジェンス(知)・イノベーション(革新)・インキュベーション(新規事業等の孵化)」を表現する。駅構内は、開放感のあるデザインを構築。多世代・多様な人が集い、交流する、国際色ある場を創出するとしている。
同社は万博開催時、会場となる夢洲へのメインアクセス路線として、中央線の輸送力を増強。これに路線延伸分を加えた計13本の新造車両を、中央線へ投入する。同社はこれに向けた準備として、車両基地内の既存保守施設を移設・撤去し、13本分の留置線整備を進めている。
増備車両は万博終了後に他路線へ転用するため、留置線は一部が不要となる。新駅は、撤去した留置線の跡地に建設。あわせて、既存の側線を営業線に対応できるよう、線路設備や信号設備の高度化を図る。
新駅の開業は、周辺エリアまちづくりの1.5期開発にあわせ、2028年春を目指す。