南阿蘇鉄道は28日、新型車両「MT-4000形」を導入したと発表した。
MT-4000形は、2016年の熊本地震によって不通となっている南阿蘇鉄道線の全線開通を見据えて導入。外国人観光客の受け入れ環境整備や、JR線への直通運転対応などを盛り込んでいる。
外観は、南阿蘇鉄道沿線を流れる白川と、沿線に点在する清らかな水源を象徴する青ラインと、阿蘇五岳をイメージした緑ラインをデザイン。南阿蘇鉄道の愛称「南鉄(なんてつ)」であり、阿蘇五岳とそれを囲う外輪山を表現したロゴを配置する。
車内は、着座時に阿蘇の風景を望めるロングシート配置。外の景色を引き立たせるため、座席や床敷材は明度を低いものとする。また、側壁や天井は明るい木目調とし、客室全体に開放感をもたせる。また、バリアフリーに対応し、車いすスペースを設けるほか、ドアチャイムや開扉時のバリアフリー音を採用する。
機器面では、同社車両としては初めて、ブレーキに「電気指令式空気ブレーキ」を採用。また、JR線の直通運転に対応し、ATS(自動列車停止装置)はATS-DK形を搭載する。このほか、外国人観光客の受入環境整備を目的に、多言語化に対応するという。
南阿蘇鉄道はMT-4000形について、2023年1月下旬から、営業運転に向けた総合的な試験と乗務員訓練を実施するとしている。