JR東日本千葉支社は9日、久留里線の久留里~上総亀山間について、沿線地域の総合的な交通体系に関する議論の実施を、君津市および千葉県に申し入れたと発表した。
久留里線は、木更津~上総亀山間を結ぶ路線。同線では利用者の減少が続いており、2021年度の全線の平均通過人員は1日あたり782人と、1987年4月から約7割減少。特に末端区間にあたる久留里~上総亀山間では、1日あたり55人の利用に限られているという。同支社では、現時点の利用状況について、鉄道の特性である大量輸送のメリットを発揮できていないと説明。さらに、将来的にも沿線人口や久留里線利用者の減少が見込まれることから、今回の申し入れに至った。
同支社では、久留里線沿線地域の公共交通を持続可能なものとし、また沿線地域の発展に貢献していくために、利用者にとって利便性が向上する交通体系のあり方を、総合的な観点から検討する必要があるとしている。
JR東日本ではこれまで、新幹線開業にともなう並行在来線の経営移管や、災害を契機とした路線再編は実施してきたが、利用者数の減少を第一の理由として廃止に踏み切った路線はなかった。仮に久留里線の一部が廃止に至れば、同社では初の事例となる。