南海電気鉄道は5日、係員終日不在駅などにおいて、就労支援施設利用者による授産品の販売と駅支援業務を開始すると発表した。
この取り組みは、就労支援施設利用者の社会参画と就労能力の向上を目的に、堺市内や河内長野市内の就労支援事業所との協業で実施するもの。南海電気鉄道は、駅のスペースを就労支援事業所に無償で貸与。就労支援事業所では、就労支援施設利用者による駅利用者への挨拶や声かけ、駅付近の案内、簡易清掃といった、駅支援業務による社会参画や、駅構内での授産品の販売の場として活用する。
南海では、2021年秋から駅周辺店舗などと協力し、一部の係員終日不在駅にて駅支援業務を条件とした物販の実証実験を実施。賑わい創出に関する効果検証を進めていた。今回の取り組みは、南海が目指す「係員終日不在駅の賑わい創出」と、就労支援施設が目指す「地域住民と触れ合う機会を増やし、利用者の就労能力を向上させる」という理念が合致したことで、実現に至った。4月4日時点では、堺市内、河内長野市内の16の就労支援施設から、授産品販売の希望を受けているという。
授産品販売と駅支援業務は、4月13日に高野線の我孫子前駅と南海本線の七道駅で実施する。南海は、今後、各就労支援事業所と調整のうえ、実施駅を順次拡大するとしている。