JR西日本は12日、燃料電池車両の導入に向けた開発に取り組むと発表した。
燃料電池車両は、水素を用いて発電した電力により走行するもの。従来のディーゼルエンジンにより走行する車両と異なり、排出物が水のみとなることから、CO2排出量の削減に繋がる。同社では、ディーゼルエンジン搭載車両の将来的な置き換えを目的として、開発に着手するとしている。
同社はあわせて、鉄道アセットを活用した水素利活用の検討を開始することも発表した。利活用計画では、駅などの鉄道アセットを活用した「総合水素ステーション」を設置。燃料電池車両やバス、トラック、乗用車に対する水素供給や、JR貨物の貨物列車による水素輸送の拠点としての活用を検討する。
燃料電池車両の導入や、水素利活用の検討は、同社が2021年に策定した環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」に基づくもの。同目標では、2050年にグループ全体のCO2排出量を実質ゼロとすることを掲げている。
水素燃料電池車両としては、JR東日本が試験車両のFV-E991系「HYBARI」を2022年に導入。神奈川県内で試験を実施している。