名古屋鉄道は28日、国土交通大臣に対し、鉄軌道旅客運賃の変更認可を申請した。
申請した大人普通運賃は、初乗りが180円(現行170円)、29キロ~32キロ区間(名鉄名古屋~犬山間など)が630円(現行570円)、65キロ~68キロ区間(名鉄名古屋~豊橋間)が1270円(現行1140円)など。利用の多い7キロ以内については、改定率を抑える。また、普通運賃の改定にあわせ、通勤定期運賃も変更。一方、通学定期運賃については、家計負担に配慮し、運賃を据え置く。
今回の運賃変更にあわせ、過去の駅移設によって導入していた特定運賃を廃止。上飯田駅、西ノ口駅、柳津駅を発着する一部区間で適用していたもので、通学定期券を含め、本来のキロ程に応じた運賃を適用する。なお、知多新線、豊田線、羽島線、空港線の加算運賃の変更はない。また、名古屋本線の一部区間に設定している暫定運賃は、対象区間や設定額を区間ごとに見直し、認可後に改めて届け出るとしている。
同社はこのほか、運賃変更の申請認可後に、特別車両料金改定の届出を予定する。予定する基本料金は450円で、現行の360円よりも値上げとなる。あわせて、300円の「閑散時間帯割引料金」を新たに導入。平日9時台~16時台および土休日の全時間帯(中部国際空港駅発着を除く)が対象で、「名鉄ネット予約サービス」での購入時に適用する。このほか、車内精算料金を導入し、車内購入時の料金を500円とする。
今回の変更認可申請は、新型コロナウイルスの影響による利用動向の変化や、電力料金や資材価格の高騰による経費増加などを受けたもの。消費税率変更を除いては、1995年以来の運賃改定となる。
同社の運賃改定は、2024年3月の実施を予定する。名古屋鉄道は、老朽化した設備の更新や、業務効率化・近代化など、地域価値の向上や社会貢献を目指し、設備投資を続けていくと説明。かねてより計画が発表されている名鉄名古屋駅の4線化については、事業の方向性を2024年度をめどに判断すべく、関係者と協議中だとしている。