JR東日本は5月31日、2027年度の「高輪築堤跡」の現地公開を目指すと発表した。
高輪築堤跡は、1872年に新橋~横浜間で日本初の鉄道が開業した際、海上に構築した線路敷の遺構。後の海上埋め立てや線路増設により埋設されていたが、高輪ゲートウェイ駅および同駅周辺の工事によって、2019年以降に出土。2021年9月には、国の史跡に指定されていた。
同社では、国や自治体、有識者を交えて策定した保存計画や、有識者の指導のもと、保存・公開方法を決定。高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発エリア「TAKANAWA GATEWAY CITY」において展示する。発掘時に失われていた築石や盛土、バラスト、レール、橋りょうなどの再現を検討するほか、かつての築堤ライン上では、現地で発掘された築石を活用したランドスケープを構築。ARやVRといった技術を活用し、開業当時の鉄道が走る景観の再現なども検討する。このほか、高輪築堤や鉄道の歴史を公開する情報発信施設等も整備するとしている。
JR東日本は、周辺のまちづくり工事等の進捗状況も踏まえつつ、遺構の保存と公開に向けた整備を実施する予定。具体的な公開時期については、決まり次第発表するとしている。