北越急行は4日、北陸信越運輸局に対し、鉄道旅客運賃の変更認可を申請した。
改定後の大人普通運賃は、3キロ以内が210円(現行170円)、58キロ超60キロ以内が1310円(現行1090円)など。通勤・通学定期旅客運賃も、同様に改定する。改定率は、普通旅客運賃および通勤定期旅客運賃が20%、通学定期旅客運賃が10%。全体では約16%の改定率となる。
今回の運賃改定は、従来からの周辺環境の厳しさや車両・設備の維持管理費の増加に加え、新型コロナウイルスの影響、動力費や燃料費、材料費の高騰による経費増加を理由としている。
同社では、2015年の在来線特急「はくたか」廃止以降、一部変電所の受電停止、駅間閉そく信号機の34基の廃止といった設備のスリム化、組織体制や業務の見直しによる要員のスリム化、イベントの開催や「貨客混載列車」の運行といった増収策を進めてきた。しかしながら、直近5年間の営業損失は平均で8.51億円、当期純損失の平均は6.04億円となり、「はくたか」廃止後の経営安定化や将来の設備投資等に備えた積立金も、当初計画より早く枯渇することが見込まれるという。この結果、2018年、2028年、2038年に10%ずつの運賃改定を実施するという当初の計画を前倒しし、今回の申請に至ったとしている。
運賃改定は、2023年10月1日の実施を予定する。北越急行では運賃改定にあわせ、高齢者向け乗車券の発売、団体運賃の割引率の変更といった利用者サービスの向上策を進める。